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輸入切花専門商社 株式会社クラシック

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CLASSIC スタッフブログ Vol.244

2025.09.29

このコーナーでは、クラシックの社員が自分の仕事を通じて気になったこと、面白かったこと、お客様にお伝えしたいこと…などなどを気ままに発信していきます。

今回のブログは営業本部からF・Nお届けします!

 


 

■マイファーム

営業本部のNです。8月から自宅近くで10坪ほどある市民農園をお借りして、野菜を育て始めました。

仕事柄、海外の農園に行って、栽培方法やら技術について質問したり、意見を述べたりする機会があります。

私は農業の経験がないのに、知識だけで色々と偉そうなことを言っておりますが、実際に植物を育てるのは難しく奥深いものですね。

畑で育ち始めた野菜の芽を全部虫に食べられて、種まきからやり直しするなど早速自然の洗礼を受けております。

でも、この次はどうしようかとワクワクしながら畑に通っています。

時々取引先の農園の現場を思い起こしたりしますが、害虫はどうしていたっけ?とか肥料はどんなだっけなどと少し視野が広がり、今までにない新たな興味が湧いてきました。

 

<芽が出てきたばかりの水菜> 青虫に新芽を食べられて瀕死の状態 
大きな葉を食べればよいのに、わざわざ新芽を選んで食べるんです

 

 

■海外切り花農園の環境対策など

切花の主要産地である、アフリカや南米でも、近年の世界的環境意識の高まりから、様々なルール、規制が強化され、今まで通りのやり方では栽培できなくなってきています。

一方、規制があるからというだけでなく、農園主自身の考えで、ルール以上の対策を自主的に取り組んでいるところも多くあります。

もはや人生観と言っても良いでしょうか。感銘を受けることもしばしばです。そんな農園の取り組みの一端をご紹介したいと思います。

 

■水 (ケニア ヒペリカム農園)

農園の排水には、ポストハーベスト溶液、機械類の洗浄廃液、従業員食堂の排水などがありますが、これらを集め浄化し、作物への潅水に再利用しています。

環境を汚染せず、水を無駄にしないための取り組みです。

 

<農園内にある大きな公園>
この公園はウエットランドと呼ばれ、様々な排水をきれいにします

 

まずは何段階かに分かれた貯水タンクの中で固形物と水を分離し、分離後の水にはバクテリアが加えられ、汚染物質を分解し植物に吸収されやすいようにします。

その後、大小様々な砂利が敷き詰められた長い水路を2週間かけて流れていきます。

 

<砂利水路>

 

砂利水路を巡ったあと、5つの大きな池に順次流れていきます。各池には、違った種類の植物が植えられており、それぞれの植物が特定の有害成分を吸い上げます。

 

<池>
<処理後の水>

 

最後の池は水がきれいになっており、カエルや魚が泳いでいます。

 

<各池の水と植物のサンプル>
<従業員制服についているワッペン> “MUDA”の字が見えますが、日本語の“無駄”を生まないという思想が農園内従業員に徹底されており、企業文化となっています。

 

■害虫管理(エチオピア バラ農園)

花の栽培は害虫との戦いです。ここでは、化学農薬を極力使わない最新の方法を導入しています。

 

<農園内害虫マップ> 赤い点がハダニの発生を表しています

 

上記写真のデータの元は、選ばれた従業員が、毎日それぞれの担当ほ場で観察し、害虫を見つけると場所、害虫の種類、発生レベルを携帯端末に入力します。

これらの情報が常にアップデートされ、病害虫管理責任者のPC画面で上記のように確認できます。

責任者は、すぐに害虫駆除を担当者に指示します。

この際、発生レベルによりできる限り化学農薬でなく天敵(ハダニを捕食するカブリダニなど)で駆除をします。

化学農薬を使わなければいけない場合でも、早くに害虫発生を検知し対応することで、発生場所だけでの農薬散布で済ませます。

 

<天敵カブリダニ放飼(ほうし)後> 
カブリダニが一緒に入っていたオガクズしか見えませんが・・・
<フェロモントラップ> 中央にぶら下がる白い箱 
フェロモンで害虫を引き寄せて捕まえます

 

■肥料 (ケニア バラ農園)

土が健康だと植物は良く育ちます。

作物の残渣などから堆肥を作り、土にまぜ、土の中の環境をよくすることは、ここケニアでも積極的に行われています。

それに加え、ミミズを使った肥料が作られています。

 

<ミミズ肥料> 長い木箱の中でミミズが飼育されており、そこから出る排水がそのまま栄養たっぷりの肥料になるそうです。

 

 

各農園の取り組みのほんの一部をご紹介させていただきました。

多くの人たちが試行錯誤を繰り返し、働く人や環境に優しい方法でお花が育てられています。

これらのお花を日本のみなさんに良い状態で楽しんでいただけるよう、私達も創意工夫を重ねていきたいと思います。

 

花のある暮らしっく

 

私も自分の畑を見に行かなきゃ!


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