CLASSIC スタッフブログ Vol.251
このコーナーでは、クラシックの社員が自分の仕事を通じて気になったこと、面白かったこと、お客様にお伝えしたいこと…などなどを気ままに発信していきます。
2025年最後のブログは取締役 専務執行役員 佐々木がお届けします!
■心外無別法(しんげむべっぽう)
来年のことを話しても鬼に笑われることのない時期を、今年も無事迎えることができました。
まずは、そのことに心から感謝しています。
深浅の別なく、関わってくださったすべての方々、そして植物をはじめとするすべての存在に対する、偽りのない心からの気持ちです。
一年の締めくくりに際して、中学生の時に考えていた『「存在」とは他に影響を及ぼすものである』という言葉を思い出します。(以前のブログでも書かせていただきました)
一輪の花でさえ、ひとときかもしれませんが、私の心に癒しを与えてくれたり、時には何か行動を起こすトリガーになってくれることもあります。
少し引いて自分を俯瞰した時、あたりまえのことですが、自分自身が良い存在になったり、そうでない存在の時もあるものです。
そして、それぞれの存在も「良い」か「悪い」か、「幸せ」か「不幸」かは、その時々の考えよう、心の持ちようが決めるものなのでしょうね。
そんな思いを抱きながら、当たり前のようにこの時期を迎えられていること。
そして、来年に思いを馳せながら、今の自分がここに在ること。あらためて考えると、どこか不可思議なものです。
■まじめか?花関係について
全体では1年を通して価格の上昇傾向が続きました。
特に飲食料品、不動産、金(きん)など顕著に推移し、原材料・エネルギー、人件費、物流費など、国内の生産・調達コスト増にシフトしました。
私はこの価格上昇を、スーパーで強く感じることとなりました。
「あれ?このチョコ、こんな値段だったけなー?」「いやいや、このスーパーが、高くなっているだけだな」「そうか!またの機会に他のスーパーに行ったときに購入すれば良いかな」・・・と。
数日後、別スーパーで見た価格も同じような価格で販売されていました。
逆に前回よりもちょっと高い?と思うような。何故・・・あの時に購入しておけば良かったのに・・・明日やろう、バカヤローの最たるものです。
今や、異常気象はもはや異常ではありません。
人は知恵を持ち、同じ轍を踏まない――(私を除いては)。
環境に適応していくことができる。それが人類なのです(私を除いては)。
今年の花業界の1年間の実績は、各所よりこれから発信されるでしょう。
ヨーロッパでは販売好調という言葉が各所から聞かれます。北米に関しては一時期の好調から、少し減退、さて日本は・・・・
厳しい環境といわれる中でも、元気の良い場面もあるようですね。
枚挙にいとまがないくらい、ネットとかでもよく見かける、成人式や卒業式の若い方々の花贈りですね。
これまで、若い方々の花の購入頻度が少ない、というのが日本の花業界の定説的な見解でした。
しかし、今や花業界においても大きな動きになっているのではないでしょうか。
花業界が?というよりも若い方々が能動的に花を取り入れるようになった、と思われます。
「これもトレンドなんだから、また減退するよ」というような声もあるかもしれませんが、乗っかっちゃった方が良い、もっと言うなら後押ししてあげようではないかと思う今日この頃です。

お世話になった先輩の成人式や卒業式に花を渡すなんて、私が若いころは考えもしなかったような気がします。
その人を思い、色を選び、喜んでくれる姿を想像しながら花店に入店する・・・どうかその若者の意図を具現化してあげてください。それができるのはみなさんなんです。
そして、そのムーブメントを、私たちは更に広げる後押しもできるんじゃないでしょうか。
成人する、卒業する方々から感謝を込めて、ご両親や感謝したい方々への「グラシャス(スペイン語で“ありがとう”の意)」フラワーなど。
どうやって提案すれば良いのだろう?
そんなことを一生懸命考えようとしていたら、地下鉄の電車はどこから地下に入れたのかが気になって夜も眠れないと言った、そんな春日三球・照代さんの三球さんのような気分になっていました…苦笑。
SNSでは、卒業式で、卒業する本人から感謝する方へ花束を渡すシーンをよく見かけます。
育ての親や、ひとり親として育ててくれた父親へ。
受け取った方々は言葉を失い、これまで一緒に過ごしてきた時間を、静かに噛みしめています。
子育ての道のりには、当然ながら多くの苦労があったことでしょう。
それでも、その花束と、娘や息子からのたったひとことの「ありがとう」が、これまでの苦労をすべて包み込み、なかったかのようにしてくれるのです。
花には素直に言葉を声にださせる力をもっているんですね。
私の涙腺も・・・
花は一生の色んな人生を文字通り彩る魔法なのかもしれませんね。
花を商いにする私たちはこのお手伝い、後押し、そして波及させるトリガーになれるのです。
ぜひ購入される方、贈られる方々の思いをしっかりと想像しながら・・・・創造していきましょう。

■まじめかよ!
幾人の方に同じ質問をしてみたのです。
それは「生花の良いところはどこでしょうか?」
色々なものが溢れる中、お花もビニール製のものや、ソープフラワー、キルトでできたものや映像などいっぱいありますね。
それはそれで色々な場面に必要とされるようになっているのです。
その中でこの質問なわけです。
生花の良さとは、何なのでしょうか。
多かったのは「動きがある」「枯れること」といようなものでした。
一部の方々からは、「香り」という声もありましたが、香りは今や機械で再現することもできます。
また、現在のアーティフィシャルフラワーは非常によくできており、私自身、すぐには見分けがつかないものもあります。映像での表現も今や素晴らしいものです。
しかし、みなさんがお話くださったことは、
蕾が一つ膨らんだ、新しい芽吹きをふとした瞬間に発見したこと、花が自身の生涯を全うして萎凋していくこと、葉もまた栄養を後世の栄華に託し、落葉する様 ── そのように、生けるものが私たちも通るであろう道を見せてくれる。ということだったのではないでしょうか。
感情を豊かにしてくれる。明日を希望に変えてくれる、それが生花の良いところの一つということをおっしゃっていたのだろうと、しみじみ感じています。
■日々是好日(にちにちこれこうじつ)
花は人生の瞬間をも彩る。
花の良いところはそれぞれの環境によって違ったものがまだまだたくさんあるのでしょう。
この時は、この一瞬は、他のどの一瞬とも違う、この時をどうせなら楽しもう。
そんな風に人生を紡いでいけるように努めていきたいものです。
どんな日も、今日という日はかけがえのない素晴らしい1日なのです。
そしてその一瞬も。
学生のころ良くいろんなところに記述していた英国の文豪サミュエル・ジョンソン氏の有名な言葉を締めに添えておくことにします。
「時を活用せよ、人生は短き春にして、人は花なり」
花に囲まれ、年末まで歩を進めていきましょう。
そしてその積み重ねの先には、もう間近に迫った新たな年にも繋がっていくのです。
ありがとうございます。

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