2026年 年初のごあいさつ 代表取締役社長 西尾|CLASSIC スタッフブログ
このコーナーでは、クラシックの社員が自分の仕事を通じて気になったこと、面白かったこと、お客様にお伝えしたいこと…などなどを気ままに発信していきます。
2026年第一弾は弊社代表取締役社長 西尾がお届けします!
どうぞお楽しみください!
はじめに
新年あけましておめでとうございます。
平素より、株式会社クラシックの事業活動に多大なるご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。
2025年の市場環境 ― 需要と供給、双方の揺らぎ
2025年は、日本の花き業界にとって、需給、価格、コスト構造のすべてにおいて、非常に難易度の高い年であったと認識しています。
国内市場においては、需要の弱さが継続する中で、供給サイドにおいても複合的な変化が重なり、需給バランスが大きく揺れ動く局面が続きました。
国産花きについては、生産者の高齢化や作付縮小といった構造的課題に加え、近年顕在化している高温・異常気象などの気候要因が、生産量や出荷時期の不安定化につながりました。
供給量が減少する局面が見られる一方で、必ずしも価格上昇に結びつかない状況は、生産現場・流通双方にとって大きな課題として残っています。
一方で、輸入花きに目を向けると、従来の主要プレーヤーとは異なる新規参入業者を中心に、供給量や出荷タイミングの変動が目立つ場面が増えてきました。
安定供給を前提として築かれてきた市場に、短期的・断続的な供給が加わることで、需給バランスや価格形成に影響を及ぼすケースも見受けられ、結果として市場全体の不確実性が高まった一年であったと感じています。
こうした供給面の変動に、需要の回復の遅れが重なったことで、「需給がタイトであっても価格が上がらない」という、日本市場特有の難しさがより明確になりました。
その背景には、コメ価格に象徴されるような生活必需品を中心としたインフレによる可処分所得の圧迫があり、花のような嗜好性の高い商材にとっては、需要回復に時間を要する構造が浮き彫りになっています。
政策環境と為替 ― 期待と現実のはざまで
こうした中、日本では2025年後半に政権が交代し、経済政策の方向性にも変化の兆しが見え始めています。
賃上げや国内経済の底上げを通じた成長重視の姿勢が、今後、消費マインドの改善につながっていくことを期待しつつ、業界としても注視していく必要があると考えています。
一方で、輸入を担う立場から見ると、円安基調の長期化は依然として大きな課題です。
為替による仕入コスト上昇は構造的な問題であり、単純な価格転嫁が難しい日本の花き流通においては、輸入商社、卸売市場、小売、それぞれの立場で、持続可能性がこれまで以上に問われる局面に入っています。
この問題は、特定の業態にとどまらず、サプライチェーン全体で、どのように負担と価値を分かち合っていくかという問いでもあります。
海外市場から得た示唆 ― ヨーロッパの回復と学び
昨年11月には、オランダで毎年開催される世界最大のフラワーショー(展示会)を訪れる機会がありました。
ヨーロッパの花マーケットは全体として活気を取り戻しており、価格形成の力強さや市場機能の違いを、改めて実感しました。
日本との差は小さくありませんが、その差を嘆くのではなく、構造として何が異なるのかを冷静に学ぶことが重要だと感じています。
もっとも、そのヨーロッパにおいても、ウクライナ戦争勃発後の2022年から2023年頃には、エネルギー価格高騰を背景とした急激なインフレにより、花の市況が大きく悪化した時期がありました。
業界全体が試行錯誤を重ねる中で回復への道筋を見出してきたという事実は、日本にとっても大きな示唆を与えてくれます。
その中で印象的だったのが、先日記事にもなってましたが世界最大の花き市場であり協同組合としての成り立ちがある Royal Flora Holland には、「Chief Fail Officer(最高失敗責任者)」という役職の方がいらっしゃるそうです(一般的にCFOといえばChief Financial Officer〈最高財務責任者〉を指しますが)。
「失敗は学びの第一歩である(FAIL = First Attempt In Learning)」という考え方のもと、挑戦と実験を奨励する文化が根付いており、失敗を前提にそこから学び、次の挑戦につなげていく姿勢からは、成熟産業においてもイノベーションを生み続けるための重要な示唆を得ました。
これからに向けて ― 業界の一員として
日本においても、2025年から2026年にかけて、卸売市場の統合や拠点一本化など、これまでとは異なる戦略的な動きが見え始めています。
個社・個市場の競争にとどまらず、業界全体としての需給安定と価値向上をどう実現していくかという視点が、これまで以上に重要になってきていると感じています。
私たちクラシックは、単なる輸入商社としての役割にとどまらず、生産者、卸売市場、流通、小売をつなぐ一員として、日本の花き業界が次の段階へ進むための後押しができる存在でありたいと考えています。
不安定な需給環境や為替、物価といった不確実性の高い状況下においても、現場に根ざした対話と実行を積み重ねながら、業界全体の持続可能性向上に貢献してまいります。
厳しい局面が続きますが、同時に変化の兆しも確かに存在しています。
本年も業界のみなさまとともに、花き流通の未来を考え、前に進んでいければ幸いです。
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