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輸入切花専門商社 株式会社クラシック

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クラシック試験室から 第15回

2022.06.20

■心から平和でいたい…

クラシック試験室のキタです。

前回もこのブログの冒頭で触れた、ロシアのウクライナ侵攻について、今になっても収束する糸口すら見えていない感じです。
一日も早くウクライナのみなさんが心安らかに過ごせる日常が訪れることを、引き続きお祈りしています。

ウクライナに関連しては、クラシックの大切なパートナーであるオランダの花き生産企業「マーギンパー社」が、ウクライナで起きていることを、身近な問題として捉え、同社で生産している「クレマチス・インスピレーション」を「クレマチス・キーウ」へと改名しました。マーギンパー社は、困難な状況に追い込まれている方々への人道的支援と連携の意を示すためにその想いを″キーウ″に込めると同時に、本商品の売り上げを一定期間、オランダのウクライナ支援組織(Giro555)に寄付をしています。

クラシックとしてもマーギンパー社への共感と、花のある日常と笑顔を取り戻してほしいとの考えから、商品名を変更することに同意し、新商品名″キーウ″として広く告知し、販売させていただいております。(クラシックも、同期間の売上については、マーギンパー社を通じてGiro555に寄付させていただきました)

 

 

■クレマチスの思い出…

そのクレマチスに関しては、試験室の視点で語らせていただくと、とてもよく咲く花という印象です。

7~8年前からクラシックでは販売しておりますが、販売当初は「クラシックにて水の入ったペット付きの箱にパッキングし直してお届けするか」「輸入したままの状態でお届けするか」という課題がありました。

パッキングし直して出荷すると、お客様に届いたときに、花が咲きすぎてしまうという事で、輸入したままの梱包でお届けするという方針が出されました。一方で、商品の鮮度はしっかり保つ必要がありますので、梱包箱の中の商品をプラシートでくるむ方式を採用し、何度も輸送試験をして、花の重さ(水分の喪失量)を計測・鮮度状態を確認したという想い出があります。

そんな想い出のあるクレマチスが、平和な暮らしに向けて、少しでもお役に立つことができれば、こんなにうれしい事はありません。

 

■紫陽花(あじさい)の季節…

6月といえば、ジューンブライド(June bride)。ヨーロッパでは古くから「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」といわれていた様です。由来については諸説あるそうですが、ギリシャ神話に登場する神主ゼウスの妃で、結婚や出産を司る女神「Juno(ジュノ)」が守護する月が6(June)であることから、この月に結婚をすると生涯幸せに暮らせると言われているみたいですね。

 

そして、6月を代表する花といえば、紫陽花(あじさい)ですよね。

結婚式でも人気の高い花で、小さな小花が集まっている姿から「家族団らん」「友情」「仲良し」という意味の花言葉を持っているようです。

また、カラーバリエーションが豊富なところも紫陽花の魅力のひとつですよね。

この紫陽花も、試験室的な視点で解説しますと、水あげ後に道管が詰まりやすく、葉っぱ等からの蒸散も多いので、日持ちしにくいという特徴があります。

ブライダルに使われるという点では、日持ちに対するニーズは比較的シビアではないと考えられますが、取り扱い上の注意事項(コツ)として、「水あげする時にスリーブは付けたまま」にしておいていただける様お願いしています。これで日持ちがだいぶ改善されると思います。

 

ちなみに、観賞用の紫陽花に対する個人的な感想は、季節の風物詩として、様々な色を楽しむという点で重宝していますが、花が咲いていくという変化がない事が、少し物足りないという感じでしょうか…

 

■生産地とのコミュニケーション…

母の日対応で、一部商品で品質的な問題が起きてしまいました。ご迷惑をおかけしたお取引先様や、お客様に対しては深くお詫び申し上げます。

品質的な問題が起きると、すぐに生産地へフィードバックして、対応を協議しますが、その際につくづく海外生産地とのコミュニケーションの取り方は難しいと感じさせられます。

クラシックとすれば、すぐにでも原因となり得る情報を入手したいと考えますが、やはり情報もGive and takeで、クラシックから、産地が必要としている情報をタイムリーかつ適切に出し続けていないと、いざという時にうまくいきませんよね。

日本のマーケットの状況(何が起きているのか、どう変化しているのか…など)、競合となる産地の商品との比較などは、日常的にやり取りしていく必要があることは言うまでもありません。

また、こと品質的な課題に関しては、栽培技術や輸送中の状態に関する専門的な知識も、バイヤーとして持っていなくてはなりませんので、日々勉強が必要になってきます。

日ごろの信頼関係と、問題が起きた時のシャープな論理立てと検証で、早期の解決につながるよう、今後も努力を続けていかなくてはならないと痛感しています。

 

■データにできない…

さて、試験室で様々なデータを収集しておりますが、数値化(言語化)し難い事象にも、たびたびぶつかります。

例えば、日持ち試験をしている場合に、日持ち終了という判定をどの様にしているのかという事を、明確にデータで表現するという事は非常に難しいと感じています。

また、別の事例では、1本の花のちょっとした欠陥が、まとまると大きな欠陥として見えてしまう様な場合などは、往々にして起きる問題と思っています。ちなみに、だいぶ前に聞いた話になりますが、中古車のオークションでは1台の車の価格を決めるのに数秒で決めてしまうそうです。プロの目にかかると商品の全体像を俯瞰することで、その価値を判断できるという事だと思います。1本1本の欠陥を見つける基準と、全体(かたまり)としての商品の良し悪しと、関連付けていかなくてはなりませんが、そうしたこともデータ化しにくい事だと考えています。

切花の場合は、仕様で決められるものではありませんが、競合する商品と官能検査などで違いをデータ化して、自分たちの感覚と、数値を一致させるような取り組みも必要なのではないかと思ったりもします。

 

■初夏…ツバメとの恋物語??

現在の成田オペレーションセンターに移転する前、大栄という場所に工場を構えていたころの話です。

試験室だけは、建物の準備が遅れてしまい、私は2年近く一人で大栄工場(内の試験室)に勤務していたことがあります。

ある時、その工場の中!にツバメが巣をつくってしまい、私が毎朝出勤してシャッターを開けるまで母鳥はエサを取りに行くことができないので、工場内を旋回して待っているという状態でした。

ツバメのシーズンは、会社を休むこともできず、シャッターを開けてやり、巣の下のふんの掃除まで行う毎日が続きました。

ツバメの子供たちも大きくなったころ、外で一息ついていると、休んでいる私の真上で、親子のツバメが4羽並んで、なんとなく「ありがとう」と言ってくれているような光景に出くわしたことがあり、なんとなくほっこりした気持ちになりました。

今年は、自宅の玄関の真上にできたツバメの巣の面倒を見ている毎日です。

どうも、ツバメとは縁がある様で…

 

■花のある暮らしっく

だんだん、蒸し暑くなる季節を迎えますが、涼しげなお花を手元において、気持ち穏やかに過ごしたいものです。

この夏も、花のある暮らしっく”で乗り切りましょう!


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