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輸入切花専門商社 株式会社クラシック

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クラシック試験室から 第18回

2023.05.15

■母の日を終えて…

クラシック試験室のキタです。

このブログが掲載される頃は、母の日も終わり、花業界としてはほっと一息ついているところだと思います。

昨年(22)の母の日は、2年ぶりにコロナの行動規制の外れたゴールデンウィーク最終日の58日でした。思い返すとウクライナ情勢などもあいまって、エアスペースの確保がままならず、母の日のお花の注文をお受けする時点でも、商品の入荷が確約できない状況で、大混乱となってしまいました。結果的に、一昨年(21)を上回る商品のご提供はできたものの、お客様には大変なご迷惑をおかけしてしまい申し訳ありませんでした…

今年の母の日はゴールデンウィークが明けて、コロナも5類感染症移行となった514日ということでした。商品の入荷もおおむね順調な母の日ではなかったかと思いますが、何かご迷惑をおかけしたようなことがあれば、それぞれの品目担当にご連絡いただける様お願いします。品質管理グループ/試験室としてもしっかりとバックアップしていきたいと考えています。

さて、

みなさま、日頃のお母さんへの感謝をお花に託して、親孝行できましたでしょうか?

私の場合は、「孝行したいときに、親はなし…」という状況ですが、母親への感謝の気持ちはとても強いので、部屋に飾った花を見ながら思い出したりしています。

母親への想いや、感謝という事に関して、「子供は3歳までに一生分の親孝行をする」という言葉があるようです。いろいろな解釈もある様ですが、愛くるしい三歳までの赤ちゃんの間に十分親孝行してきたと思えれば、少しは気持ちも楽になったりしますね。(子育てはそんな楽なもんじゃない…という様なお叱りも聞こえてきそうですが…)

ちなみに、母親で思い出すことといえば、おふくろの味ですが、私の母親がつくってくれた“肉詰めハンペンのフライ”にソースをつけて食べる…おいしかったなぁ!

 

 

■ストレスについて…

母の日は、母親に感謝する機会ですが、花業界にとってはまさに繁忙期という事で、業務量が増えることで、ストレスを感じる方も多かったのではないでしょうか。

一方で、アメリカの心理学者が行った実験によると、ストレス(刺激)がまったくない部屋で過ごすと、人間は、「体温調節機能の低下」「暗示にかかりやすくなる」「幻覚・妄想が現れる」ということで、身体と心のバランスを保つためには、適度なストレスが必要という結果もある様です。また、人間の脳は暇になると、体の中にがん細胞をつくる指令を出す!という様な説もあり、やはり最小限のストレスや、やらなければならないことがあるというのは大切なんでしょうね。

 

■ちょっと怖い話…

ストレス関連で人類の将来につながる様な、ちょっと怖い話をしたいと思います。

みなさんUNIVERSE25(ユニバース25)というネズミの実験をご存じですか?

アメリカのジョン・カルフーン博士が1970年ころに行なった実験ですが、十分な量の食料と水と、広い生活空間を持つネズミ用の特別な空間「ネズミのパラダイス/ユートピア」とでもいうべきものをつくり、最初に4組のツガイのネズミを置いたそうです。要は、まったくストレスのかからない環境の中で動物がどう対応していくかを観察したという事ですね。

ネズミたちはすぐに繁殖を開始し、その結果、ネズミの数は急増し、600匹になると、階層ができ、いわゆる「のけ者」が出現したそうです。大柄なオスは群れ全体を攻撃し始め、メスたちは出産してもオスが守ってくれないため、自分たちも攻撃的になっていき、子どもを守るどころか、子どもを攻撃して早期に巣から追い出し始めたそうです。巣を追い出された子どものネズミは、凶暴なオスの攻撃から身を守るため、ニートネズミになるしかなかったようです。そして、この育児放棄されたネズミたちが親になった世界では、社会性を学ばなかったネズミたちは、テリトリーも交配も子育ても行わず、ただ食べて毛づくろいをするだけの生活に入ります。発情しても、求愛ルールがわからず、オスはメスの後をストーカーのようについて回り、未成熟のメスやオス同士でペアになろうとし始め、乳児死亡率は急上昇していきます。すべてのネズミがニートネズミになった時、暴力も争いも交配もなく、ただ静かに彼らは生きていましたが、実験開始後約1年半後には出産が停止し、最大2200匹まで増えたネズミたちは猛スピードで減り始め、2.5年後には最後のオスが死んでしまい、『UNIVERSE 25』のネズミたちは全滅する…という結果だったそうです。しかも以降25回同じ実験をして同じ結果だったとも…。

なんとなく、人類の歴史に当てはめて考えてしまいそうですが、如何ですか…

私は人間の知恵や知識で、それこそサスティナブルな社会がつくれると確信しております!

 

■さて、仕事の話…

試験室では、いうまでもなくお花の規格のばらつきや、日持ちなどを確認することが主な業務となります。

品質管理という事を考える時に、(いまさらですが)大切なのはPDCAを回すという事ですよね。

商品の仕入れをしている担当者からすると、自分の担当商品で何らかの問題点が指摘されると、その確認や問題の要因となったことを分析するために、様々な確認を行うことになりますが、その「作業」を一手に引き受けるのが試験室の業務にもなっています。

仕入担当者から良く「この試験結果を見て安心しました」という言葉を聞きます。でも私としては(あえて辛口で言えば、「安心する」だけではなく)試験の前提となる元々の商品仕入に関する計画(戦略)やその実施過程はどうだったのか、今までの問題分析を経て今回どの様な対策をしたことが奏功したのか…という思考プロセスが欲しいんですよね。一朝一夕に身につくものではないかと思いますが、PDCA的な発想力について、社内でもっと強化しなくてはいけない…と思う今日この頃です。

もう一つ、試験する上での最近のジレンマ()になっている事です。現在、クラシックでは冷蔵倉庫の拡張に向けた対応を実施していますが、もちろんクールチェーンを強化する為の方策として実施しているわけで大切な取り組みです。

しかしながら、試験室的に考えると、クールチェーンが大切という事は疑い様がないながらも、実験としてそれを確認することは非常に難しいという事です。どの状態がよくて、どの状態になってしまったら問題ありと判断するのかという(官能検査的な)ガイドラインも必要になってきます。理屈として説明できることを、試験結果としてデータとして残す事の難しさをヒシヒシと実感しています。

 

■初夏に向けて…

これから季節は初夏に向かっていきます。衣替え、サクランボ、アジサイ、父の日… コロナから解放されて、屋外でのレジャーも楽しめる季節になっていきますね。

でも、家に帰って、冷たいビールとかわいらしい花で癒されることも楽しみですね。

花のある暮らしっく!


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