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輸入切花専門商社 株式会社クラシック

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クラシック試験室から 第10回

2020.12.21

■もうすぐお正月です

クラシック試験室の北﨑です。

 

師走も後半となり、年末年始向け商品の出荷がピークを迎えています。

早いもので、もういくつ寝るとお正月…という季節になってきました。

 

お正月だからといって、何か特別な事をするタイプの人種ではないのですが、お餅はスーパーの市販品ではなく、ちゃんと家でついたものが良いですねぇ。

つきたてを食べるのも美味しいのですが、ダシの効いた澄んだ雑煮…かすかなしょうゆ味、三つ葉の香り、忘れられないおふくろの味です。

 

でも、お正月は姪っ子へのお年玉など出費が増える時期でもありますので、寒さは一段と堪えますな。

 

 

■サルの時代から…

お花の癒し効果、ビタミンFなどを色々とお伝えしてきておりますが、「なぜ、ヒトはお花に魅かれたり、お花を見ると心が安らぐんだろう」という点で面白い逸話をご紹介したいと思います。

 

ヒトは猿の時代から、花のあるところに行けば食べ物にありつける!という事を経験上、刷り込み続けてきたという話です。

花のあるところといえば、花が咲いた後の実がなっているかもしれない、そもそも花が咲くような場所は気候や土壌などの自然環境も良い…という事を本能的に学び続けてきたんでしょうね。

 

お花のホームユースに関するマーケティングを考えるとき、「花は必需品ではないけど必要品である」という商品ポジションでどんな商品をそろえ、どの様にお客様に訴求していくかって事が大事になりますね。

 

お花は空腹は満たさないけど、昔々は空腹を満たすための道標だったことを考えると、私たちの生活にとって欠く事のできないパートナーであるという事も頷けるところであります。

 

■光合成から考える

海外から輸入される花は、赤道直下で標高の高い場所で多く育てられています。

 

これは何が良いかといえば、常春と例えられる様に一年中気候が安定していることと、昼と夜の温度差がある為、光合成によってつくられた栄養が、夜間にじっくりといきわたるという事がメリットといわれています。

 

ここで、「光合成」というと、大学の農学部の様な話になりますし、諸説諸々あると思うので、こうしたブログで語るのも気は引けてしまうのですが、たとえ話として引用したいのでご容赦を…

 

植物が光合成をして糖類などの光合成産物を生産する部分をソースと呼びます。

主に葉ですが種類により異なる場合もあります。

その光合成産物を貯蔵したり消費する部分がシンクになりますが、私たちの商品でいえば花の部分がシンクとなります。(シンクの代表格は、果実と種子であるといわれていますね。)

 

面白いのは、葉は光合成産物を生産する部分でソースと書きましたが、若葉の場合は茎の上の方(花の近く)で生えていて、花と同じようにエネルギーを消費する方(シンク)になっています。

この若葉の頃というのは、一般的に葉傷みや薬害を起こしやすいといわれているんですね。

同じ葉っぱでも、成長過程で役割が変わるとか、ヒトの成長と照らし合わせてみても納得できる部分があり、興味深い所でもあります。

 

ヒトも、若いうちは周りからの称賛や励ましを栄養として成長して、一人前になると花を咲かせる様々な要素を提供できる様になる…って、ことですよね。

 

また、シンク(消費)とソース(供給)がバランスが取れているとき、その植物は健康で、病害虫に強く、品質も良く、収量も合格点がつけられるはず…という事で、これも、ヒトになぞらえて考えてみると、それぞれの役割をバランスよく果たすと上手くいくという事でしょうから、「なるほど」と思える話です。

 

自然界って、ホント奥が深いなぁって思えますし、ヒトや事業も自然界の摂理の中で動いているのかなぁ…などと考えてしまいます。

 

 

■試験結果のツッコミどころ

話しは大きく変わりますが、ツッコミどころのない試験を行うのは、ホント難しいと感じています。

 

学術論文にする様な試験/実験であれば、その論文の評価としてブラッシュアップされて、実のある試験/実験に昇華させることもできそうですが、企業内で事業の下支えとなる試験となると、お客様の捉え方や、感覚をどのように想定するかで大きく振れてきますので、この試験に意味があるのか、この結果を結局どう活かすのか迷う場面も多々出てきます。

 

色々な花き研究や評価をしている施設がありますが、こうしたポイントでじっくり話し合ってみたいと思う、今日この頃でもあります。

 

どうしてもブレが出てしまうので、品目、産地、評価項目を定めて、主体的に実験計画を立てて、活動したいと思っておりますが、そこで大切になってくるのが品質基準という事になります。

品質基準は企業のポリシーそのものともいえるものですが「この花が、お客様にとって一番大切にされるポイントは何か?」という事を見定めて基準をつくっていく必要がありますので、常々見直して時代に合わせたものにしていく必要もあるわけです。

 

また、それぞれの役割の方々によって、花の品質に対する考え方も変わってくると思っています。

仲卸の方など、日常的に花を商品として扱う方は、その扱い易さという事が品質になるでしょうし、エンドユーザーの方にとっては、コスパや見た目の美しさ、日持ち…等という事が大切になってくると思います。

 

試験室で作り出すデータが、実際の販売実績や、お客様の声と結びついて分析される中で、品質の基準というものが、少しずつクリアなものになっていくようにしなければならないと痛感しています。

 

 

  • ■ニューノーマル時代の営業スタイル

  • 花き業界の営業スタイルは、どちらかというとなじみ客“を大切にするという風潮がある様に感じています。

    一方で、ニューノーマル時代になり、花を買った事のないエンドユーザの方々に、新たに花を買っていただく為の活動がより重要になっていると思います。

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    ここで大切なのは、以前も申し上げたかもしれませんが「初めて花を買っていただいたお客様に、きちんと喜んでいただく」という事なんですね。

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    不遜な言い方になりますが、輸入商社(生産者)にとっては何万本分の一というミスかもしれませんが、初めて花を買っていただいたお客様にとってはその1本の花が全てなわけです。

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    普段からお買い求めいただいているお客様からは「当たりはずれはある」みたいなありがたい言葉はいただけるかもしれませんが、決して甘えてはいけないと気持ちを引き締めていかなくてはなりません。

    年末年始の需要が高まる(出荷本数が増える)時期は特に要注意です。

 

■花のある暮らしっく

一年間、色々な出来事がありましたが、なんといっても新型コロナウィルスの影響が大きかったですね。

 

今後どのようなアフターコロナの世界が広がるのか予想もつきませんが、家の中でお花を楽しむ機会を増やしてもらえたことで前向きにとらえていきたいと思います。

 

クラシックでは、#花のある暮らしっく を、さらに拡めていきたいと思っています。

 

良いお年をお迎えください!

 


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