MENUCLOSE
JP/EN
お問い合わせ

輸入切花専門商社 株式会社クラシック

BLOG
ブログ

CLASSIC スタッフブログ Vol.192

2024.04.01

このコーナーでは、クラシックの社員が自分の仕事を通じて気になったこと、面白かったこと、お客様にお伝えしたいこと…などなどを気ままに発信していきます。

今週のブログは品質管理グループから寺谷お届けします!

どうぞお楽しみください!


 

■1年ぶりです

季節が巡り、またブログ執筆担当の順番がまわってきました。

ちょうど4年前に初めて書かせて頂いてから今回で既に5回目、何を題材に今回は執筆しようかなとネタを脳内で探し回ったなか、思いついたのが『染め』について。

ということで今回は切花の『染め』についてつらつらと書かせてもらうことにしましたので、しばし駄文にお付き合いください。

 

■染め!

生花市場を訪問したり街の花屋さんやスーパーの花売り場を覗いていると、ここ最近静かに、でも着実にその勢力を拡大しているやつ(商品)らがいることに気づきます。そうです。既に言っちゃってますが『染め』ですね。

人工的に染めた花としてはスイートピーなど市民権を得て既に長いものもありますが、最近の勢力拡大の中心品目はカーネーションやバラ、キクなど。それらの中でも白い花をシンプルに1色で染め上げたスタンダードなものから、複色・多色で染めたレインボー染め、色物に他の色を重ねる染めや、さらには染めの対象としても花だけでなく葉物や枝物まで、多種多様。 

生産者の方自らが育てた花を染めるパターンや、市場で購入した花を花屋さんが染めるパターンもあれば、消費者自身が手軽に切花の染めを楽しめるキットも販売されていたりします。

千差万別。群雄割拠。それがマーケットに受け入れられるかどうかはさておきルール無しのなんでもアリ状態。その勢いはもしかしたら本家本元である染めていない花の立場まで奪うこともあるのでないかという印象を受けるほど。

そういえば、最近では仏花の束組にも染めたキクが入っていることも珍しくなくなっており、神様仏様も染めを受け入れてくれるまでにマーケットの裾野が広がっているということでしょうか。

日本のスーパーの仏花コーナー

 

■海外

日本では徐々にマーケットの下地が出来つつある染めですが、海外での人気はどうなのか?

まずアジアにおける花の一大消費国(一大生産地でもある)ベトナムですが、こちらは日本以上に染めの人気は高く、キクを中心に原色ギラギラの染めがどこに行っても売られていたり飾られていたりします。南国の雰囲気に合っていて良いと思う一方で、きっと日本で見たらあまりの派手さに『これはちょっと合わないなぁ』と感じたりしそうです。

ベトナムの切花コーナー

 

ではお次はアメリカ。世界一位の切花消費国であり、スーパーでは大きな花売り場に多種多様な花が売られています。でも染めはほとんど、というかいろいろなスーパーの生花コーナーを回っても1本も見たことがありません。なぜ?と思い、一度花売り場にいる店員さんに聞いたことがあります。曰く『花は自然なものでしょ? それを楽しみたくて買うのに、なんで人工的に染めるの? おかしな話ね。』。うーん、、、言われてみればごもっとも。

アメリカの切花コーナー

 

最後は言わずと知れた世界の切花市場の中心とも言えるオランダ。さぞかし染めのマーケットも充実していることかと思いきや、ここもアメリカと同じ、なかなか染めには出会えません。ある日ブリーダーさんの展示コーナーに発見、と思ったら『アジア向けの品種で染めに良い品種だよ。アジアのお客さん(生産者のこと)向けに染めてアピールしているんだ。』とのお言葉。

保守的な日本人は染めに対するアレルギーがあってなかなかマーケットが広がらない、などと一時は思い込んでいましたが、こうしてみると日本は染めの最先端流行国?なのかも知れません。

 

オランダの切花コーナー

 

■ポテンシャル

消費者目線で市場や花屋さんに並ぶ染めた花を見ているのは楽しいですが、実のところ(?)私たちは染めカーネーションを中心に『Tintシリーズ』として自分たちの手で染めた花を生花市場様に提供させて頂いている、いわゆる染め手でもあります。

染めはアイデア勝負みたいなところもあり、どんな花をどんな風に染めるかを考えるところから、どう染めるのか、その手法を研究するのも醍醐味。

これからも新しい試みを忘れることなく、染めの持つ魅力とポテンシャルをマーケットに発信し続けて行きたいと思います。

花のある暮らしっく!

 


この記事が気に入ったら
「いいね!」